撮影場所:丸山林道
撮影日時:2011/10/30 5:58
タイトル:天地開闢(てんちかいびゃく)
富士山の撮影を始めて最初に目標としていた景色は「素晴らしい朝焼けと富士山」の景色だった。その景色を見ようと秋の土日になると片道2.5時間かけて丸山林道に3年間、天気予報をみながら通っていた。その間、それなりに素敵な景色と出会うことができたが、心の震える朝焼けには出会えないでいた。
2011/10/30、 この日は朝4時に撮影場所についた。早速バルブで撮影してみると、空がオレンジ色に写っていた。
いつもと違う気配を感じた。5時頃になると、雲が赤く焼けだした。こんな景色は始めてだった。今日は焼けるかもしれない!期待に胸を膨らませてシャッターを切る。しかし5時45分頃に、焼けは一反収まってしまった。うーん、今日もダメか!と思った10分後、太陽の登る位置の雲が、真っ赤に染まりだした。
オレンジと赤のグラデーション きれいだった。言葉を失った。シャッターを押す手が震えた。
その赤は、そこからだんだんと上空に広がっていく。刻々と景色が変わっていく。
5時58分、神が宿った。
ついにこの景色を見ることができた。
私の目標がかなった最初の一枚となった。
地球の創世記、まだ大気が安定しない時にはこんな景色が毎日のように展開されていたのかなと思った。
今までは日が出た後、速攻で荷物をまとめ下っていた。この場所は狭い林道を通ってくるのだが、ゆっくりしていると工事のトラックが上がってきて、すれ違いに苦労するからだ。しかし、今日はゆっくりとその余韻に浸っていた。
雲と光が刻々と変わっていき素敵な景色が広がっていった。
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